FIM各論 ~排尿コントロール~ 採点ポイントや具体例も

FIMの各論として、排尿コントロールについての評価方法をまとめました。

 

基本的な考え方から採点方法やそれぞれの点数ごとの悩みやすいケースや

紛らわしいケースをそれぞれ載せてありますので、一つ一つ整理してみてください。

 

FIM総論として全体的な特徴・採点項目についてはこちらで説明しています。

FIM徹底解説 ~FIMの特徴や運動項目・認知項目の採点ポイント~ 

 

FIMにおける排尿コントロールの定義について

定義:排尿の完全なコントロールおよび排尿コントロールに必要な器具や薬剤の使用を採点する

つまり、「尿を出したいときに出し、出したくない時にださない」という能力を評価する。ということです。

 

この時に、排尿において汚れを変える以外の介助を要するかどうかで採点の流れが変わってきますので注意してください

 

また以下に排尿に関する介助項目を上げます

〇排尿時に生じる介助量に該当する項目一覧
介助に至る過程(①投薬、尿器・③導尿
介助動作(尿器・④時間誘導
③導尿に対する介助量の頻度
後始末(おむつ・尿器・導尿)

 

基本的に失敗の頻度が多い場合はそちらで点数を採点すれば計算しやすいですが、介助量が低い場合には覚える項目が多いために一つずつ確認しなければ採点が誤ってしまうケースがありますので注意をしてください。

大きく上に挙げた

投薬、尿器・③導尿・時間誘導、後始末

の5項目が整理されている必要があります。

 

以下で詳細を説明していきます。

 

排尿コントロールの採点方法は?

A.失敗 : 汚したものを取り替える負担の程度

  (失禁は自己処理できれば失敗には該当しない)

B.介助量: ①介助に至る過程 

      ②介助動作:尿器・時間誘導など

      ③導尿の頻度

      ④後始末

  *別々に採点 → 低い方の点を採用する

 

①「介助に至る過程(投薬、尿器・導尿)」の具体例

投薬 

 6点:薬が使用され排泄が自立している

尿器・導尿 

 5点:尿器や導尿の準備をしてもらっている

 

②「介助動作(尿器・時間誘導)」の具体例

*介助動作とは - 括約筋を緩めて排泄する手助け

尿器   

 4点:尿器をあててもらえば適切なタイミングで括約筋を緩められる

時間誘導

 1点:看護師が完全に時間で誘導している

 

 

③導尿に対する介助量と頻度について

7点 導尿していない.

〇毎日導尿しない

5点 週1回以下の頻度での導尿をしてもらう.

4点  週2回ー6回の頻度

〇毎日導尿する

4点 自尿+自己導尿>他人による導尿.

3点 自尿+自己導尿=他人による導尿.

2点 自尿+自己導尿<他人による導尿.

1点 すべて他人による導尿

 

④後始末(おむつ・尿器・導尿)の具体例

おむつ

 5点:排泄した後に捨ててきてもらう

 2点:替えてもらうように頼む

 1点:協力なし

尿器

 6点:自分で尿を捨てに行ける

 5点:尿を捨ててもらっている

導尿

 5点:カテーテルを始末してもらう

 

排尿コントロールで各点数ごとに悩みやすいケース

 

排尿コントロール:7点で悩みやすい具体例

・人工透析を受け、自尿はなし

理由:例外として解除料なしとなります。

 

排尿コントロール:5点で悩みやすい具体例

・トイレ歩行器で自立し、失敗は月に1回あるかないか程度

理由:失敗の頻度の定義に当てはめます。

 

排尿コントロール:4点で悩みやすい具体例

・昼間トイレにて自立であり、夜間は看護師に尿器をあててもらっている

理由:尿器の介助は4点以下にはならない(また、夜間の低い方を採用)

 

排尿コントロール:2点で悩みやすい具体例

・自己導尿より介助者による導尿のほうが多い

理由:介助の頻度の定義に当てはめて計算します。

・汚れた時に変えてもらうよう依頼はするが、毎日失敗をしている。

理由:毎日でも変える依頼をしていれば2点となるため。

 

排尿コントロール:1点で悩みやすい具体例

時間誘導で失禁はしていないが、すべての場合において誘導が必要。

 

まとめ

排尿コントロールで重要な点として、下記の点があります。

・一点は毎日の失敗でなく、自尿の報告などの介助を少しでも減らす協力もないケースのことを指すので注意

・排泄の介助において、下記の項目に反応できるようにすることが重要です。

投薬、尿器・③導尿・時間誘導、後始末

 

これらを整理しながら、繰り返し覚えていきましょう。

 

 

それにしても排尿コントロールが細かい項目が多いですね。

排尿時に生じる介助量についてそれぞれ項目ごとに点数の付け方が変わってくるのでこれは暗記するしかありません。

分かりやすく整理したつもりなのでこれらを見ながら覚えていってください。

 

まずは、確認すべき項目であるかどうかだけ判断できるようにしましょう。

 

 

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