FIM各論 ~トイレ動作~ 採点ポイントや具体例も

FIMの各論として、トイレ動作についての評価方法をまとめました。

 

基本的な考え方から採点方法やそれぞれの点数ごとの悩みやすいケースや

紛らわしいケースをそれぞれ載せてありますので、一つ一つ整理してみてください。

 

FIM総論として全体的な特徴・採点項目についてはこちらで説明しています。

FIM徹底解説 ~FIMの特徴や運動項目・認知項目の採点ポイント~ 

 

FIMにおけるトイレ動作の定義について

定義:会陰部の清拭、及びトイレまたは差し込み便器使用の前後に衣服を整えることが採点される。

注意点としてトイレ動作の採点をする場合服の上げ下げが拭くこと以外のトイレ内の操作を間違って含めないことが肝心である

 

トイレ動作の採点範囲は?

①ズボンを上げる

②ズボンを下げる

③拭く

下記の動作のうちそれぞれどの程度の割合ができているかの採点になります。

 

*トイレ動作での疑問

排尿と排便後の介助に差がある場合はどうするか

 → 低い方を採点する。

尿器を用いているときはどうするか

 →補助具として採点する

 

トイレ動作の採点ポイント

以下の3つの動作のうち、それぞれどれだけ自力でしているかを%で表します

  • 3つしている 100%   … 7~5点
  • 2つしている 67%     …3点(50~75%自力でしている)
  • 1つしている 33%     …2点(25~50%自力でしている)

ー自立レベルー

  • 自力で衣服を下ろし、排泄後会陰部を清潔にし、衣服を再び上げている 7点
  • 時間がかかる、手すりや自助具を使用している  …6点

見守り・介助レベルー

  • 介助、監視、準備が必要           …1~5点

 

こんな時は低い方の点数をとります

  • 排尿時と排便時で点数が違う
  • 日中と夜間で点数が違う
  • その他時間帯によって点数が違う

 

トイレ動作に関しては採点基準は運動項目の一般的なものと大きな差異はありません。また例外項目も少ないため比較的採点しやすいと思われます他の動作と混同してしまうことだったりすることが間違えなければ後は帯電しやすい項目だと思われます

 

 

トイレ動作で各点数ごとに悩みやすいケース

トイレ動作:5点で悩みやすいケース

 

・痔があり、ウォシュレットを利用しているが、動作能力的には使用しなくても可能である。

理由:ウォッシュレットはすでに日常化しているため補助具とはみなさないため。

トイレ動作:5点で悩みやすいケース

 

・トイレットペーパーを取るのに手間取っておりそれを取る手伝いをしたがそれ以外は自立している

理由:トイレットペーパーをとることも準備に該当するため

 

・介助者が拭く紙をあらかじめまとめて置いておくこと

理由:上記と同様である

 

・生理用品の介助が必要だが、通常の服の上げ下げや拭くことは自分でしている

理由:生理用品に関しては準備に含まれるため

 

・トイレ動作で壁に寄りかかってズボンの上げ下げが可能であるが、不安定であるため時折様子を見ている

理由:壁を使うだけであれば6点であるが様子を見ている時点で見守りとなるため5点である

 

トイレ動作でズボンの上げ下げの時には手すりを使用しないが、便器から立ち上がる時に手すりを使っている。動作自体は自立している

理由:ズボンを上げ下げするときの手すりと同様に、ズボンを上げるために立ち上がる動作もトイレ動作に含まれるため補助具の使用に該当します。

 

トイレ動作:4点で悩みやすいケース

・ふいたり着衣の直す時にバランスを崩さないように支えてもらう必要がある

理由:トイレ動作時にバランスを崩す時の会社も減点対象の一つである

 

・日中はトイレで自立しているが、夜間はおむつ対応全介助。

理由:日中と夜間の低い点数を採用するため

 

まとめ

 

トイレ動作で間違えやすい点として、下記の点があります。

・昼はできていても夜に介助量が大きい場合は低いほうを採点される

・尿器を使用しているときには、6点となる

・トイレ内にトイレットペーパーが切れたため、新たなトイレットペーパーを用意してもらう

・ズボンを上げ下げするときの手すりと同様に、ズボンを上げるために立ち上がる動作もトイレ動作に含まれる

 

基本的にトイレ動作の評価は簡便であるため、基本的なところをしっかりと押さえておく必要があります

これらを整理しながら、繰り返し覚えていきましょう。

 

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