FIM各論 ~整容~ 採点ポイントや具体例も

FIMの各論として、整容についての評価方法をまとめました。

 

基本的な考え方から採点方法やそれぞれの点数ごとの悩みやすいケースや

紛らわしいケースをそれぞれ載せてありますので、一つ一つ整理してみてください。

 

FIM総論として全体的な特徴・採点項目についてはこちらで説明しています。

FIM徹底解説 ~FIMの特徴や運動項目・認知項目の採点ポイント~ 

 

FIMにおける整容の定義

定義:整容には、口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、ひげそりor化粧の5項目が含まれ、それらの平均で評価する。

整容に含まれる口腔ケアなど5項目は互いに関連しない別々の動作であり
このような並列動作の場合は5項目のうち、何項目を行っているかのしている割合を採点します。

 

 

整容の採点範囲

  1. 口腔ケア
  2. 整髪
  3. 手洗い
  4. 洗顔
  5. 髭剃りまたは化粧

*歯磨きか入れ歯洗い、櫛かブラシで髪をとくこと等も含む。

 

採点の対象になるのは上記の5点になります。

ここで重要なのは2点です。

一つ目はいくつの項目が何に該当するかを覚えることです。

この時に。爪切りや着替え、清拭、入浴などの項目は

整容に含めないように注意しましょう!

特に、爪切りは悩みやすいです。

二つ目は代表的な項目に加えて、入れ歯を洗うことや

歯磨き粉をつけてもらうことにも細かいことが

介助に該当するかどうかというところが一番の判断点となります。

 

 

 

整容の採点方法

 

上記の中で5項目のうち何項目を行っているかでしているパーセントを採点にする

 

 

①整容において5項目のうち3項目をしている場合は

約60%であるため3点と採点されます

②口腔内の清潔、整髪、手洗い、洗顔、髭剃りのうち、

3項目が介助している場合。→ 2点 (2/5=40%しているということになる。)

③5項目のうち、どの項目も半分以上介助している場合

→ 2点 (それぞれ50%以上の介助)

④髭剃りをしない人は?→単純にそれを抜かして考える。

残りの4項目のうち、何割できているかで採点をする

 

この時に間違えやすいことは女性であれば化粧を必ず採点しないとけないと

考えやすいですが、入院中は毎日化粧をしていないということであれば

わざわざ体験ここに入れる必要もありません。ただ髭剃りに関しては

毎日やらないということはないため男性であれば必ず採点項目に入ると思います

 

整容における準備

歯ブラシに歯磨き粉をつけてもらう

タオルを準備してもらう

洗面道具を準備してもらう

自助具を準備し装着してもらう

 

この時に整容の準備に 該当するものは上記の項目です。

基本的に介助になるのか準備になるのかで点数に差が出てくるので

これらを明確に整理できるようにすることが重要です

 

各点数ごとに悩みやすいケース

 

整容:6点の悩みやすいケース

〇自助具を自分の手ではめて口腔ケア整髪を自分で行っており、他の整容も自立している

理由:すべて一人で行っていますが自助具を使用していることで6点となります

これは少々間違えやすいですが全て用意できていると言っても

事前を使っている時には点数が下がりますので必ず注意してください

 

整容:5点の悩みやすいケース

〇水や櫛をベッド脇に持って来てもらえば、
入れ歯を自分で外して水につけ髪をとかしては洗うことができる

理由:水や櫛を持ってくるという準備を依頼しているため

〇タオルや他のものを持って来てもらえば歯磨きや顔拭き、手洗いは自立している

理由:タオルなどを持ってくるという準備を依頼しているため

〇自助具を持って来てもらえば他の動作は全て自立している

理由:自助具を持ってくるという準備を依頼しているため

 

上記で述べたように整容に必要な道具を準備してもらうこと

やってもらった時点で必ず5点になります。 ここを必ず覚えているように

注意が出来れば整容に関しては採点がしやすくなると思われます。

 

整容:4点の悩みやすいケース

〇整髪歯磨き髭剃りはほぼ自立しており、仕上げを手伝ってもらうのみである

理由:仕上げということはそれほど介助をしていないようでありますが、

最低限の介助でも実施しているため5点から減点して4点という計算になります

〇入れ歯を自分で洗うが、スタッフに入れ歯を洗浄液に入れてもらっている

理由:入れ歯の管理の評価範囲の中に、洗浄液に入れる動作も含まれています。

そのためこちらを手伝ってもらうということは準備ではなく介助になります。

もし準備であれば洗浄液を用意してもらうところまでとなります 。

 

4点か5点かを正しく採点するためには、整容で4点以下になる時は準備の手伝いは

どういうものがあるかというところを明確にしておくと良いと思います。

代表的な例としては洗浄液に入れておいてもらうことだったり

仕上げをしてもらうことになります。

 

 

整容:1点の悩みやすいケース

 

〇右手に入浴の手袋をつけてもらえば洗顔及び顔を拭くことはできるが、

手洗い整髪歯磨き髭剃りはできない

理由:洗顔の項目を行っているがそちらも手袋をつけてもらうなど

介助を要している為ごく一部の協力動作のみとなるそのため

25%以下の1点とみなされる

 

 

まとめ

整容では以下の項目を明確にしておく必要があります。

・採点の範囲を整理すること

歯磨き、入れ歯洗い、櫛かブラシで髪をとく、

爪を切ることで該当しないものは何があるか?

・5点である準備の項目が何に該当するかを明確にしておくこと

・準備に該当するのか介助に該当するのか紛らわしいものを明確にしておく

 

これらを整理できれば後は基本と同じで採点できると思います。

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