FIM各論 ~更衣 上半身~ 採点ポイントや具体例も

FIMの各論として、更衣上半身についての評価方法をまとめました。

 

基本的な考え方から採点方法やそれぞれの点数ごとの悩みやすいケースや

紛らわしいケースをそれぞれ載せてありますので、一つ一つ整理してみてください。

 

FIM総論として全体的な特徴・採点項目についてはこちらで説明しています。

FIM徹底解説 ~FIMの特徴や運動項目・認知項目の採点ポイント~ 

 

 

FIMにおける更衣上半身の定義について

定義:腰より上の更衣及び、義肢または装具を装着している場合は、その装着も評価する

 

行為の定義は以下のようになっております

この中で具体的に何が該当して何が該当しないかを細かくチェックしていきます

 

FIMにおける更衣上半身の採点範囲

更衣動作:①服・②下着・③装具の着脱

準備動作:①服を取り出す・②しまう動作

入浴前後の着脱は特殊であるため除外されます

 

 装具など服以外の扱いについて

装具の着脱は更衣動作に含むが更衣の主動作ではないのでそれを着用としてもらっても5点までしか減点されない (上半身下半身共通の考え方)

また浮腫防止のための、弾性ストッキングも装具と同様の扱いとなる

 

どちらの服で評価するか?

かぶりシャツ

前開きシャツ

→主に来ている服の自立度を見る

 

社会的に受け入れられる衣服とは

評価場所で評価者は患者の立場になったとして、着て歩ける衣服のことを指す

洒落たパジャマやガウンも採点の対象となりうる

 

 

この更衣の採点範囲で重要な点として、

*装具や弾性包帯が更衣に該当することを把握するべし

*服をタンスから取り出すしまうという内容は、準備に含まれます。

 

こちらの2点が挙げられます。

基本的には服という風に言われるとどちらに該当するかを悩んでしまいますので、予めこちらを覚えておく必要があります

 

そして服の種類に関しては具体的には指定は無いということで普段着であれば頭シャツやボタンのある T シャツなど特に規定はないということで覚えておくと良いと思います

 

FIMにおける更衣上半身の採点のポイント

更衣上半身は何動作かに分解して考え、そのうちの出来ている割合を採点する

 

かぶりシャツ

①片腕を通す

②頭からかぶる

③もう片方を通す

④ボタンを留める

前びらきシャツ

①肩腕を通す

②背中から服を回す

③もう片方腕を通す

④ボタンを止める

 

採点のポイントに関しては更衣に関しても動作を分割して考えることによってその中のどの項目を介助されているか?

それとも項目ごとに介助量が異なる場合は独立した活動の中で判断をして平均点を採点すると良いと思います

 

各点数ごとに悩みやすいケース

 

更衣上半身:6点の悩みやすいケース

・ボタンを変えるなど衣類の明らかな改造を行っている

理由:補助具の使用に該当するため6点となる

・シャツは手伝ってもらわないと着れないが,かぶり服であれば一人で着ることができる

理由:服の種類は基本的に主に着ている種類であり、具体的な種類は問わない。よく着る服でボタンなどに介助が生じる場合は点数が下がる.

 

更衣上半身:5点の悩みやすいケース

・着用している義肢・装具などの装着には介助を要する場合

理由:装具の脱着だけは副次的な扱いとなるため、介助をしても5点以下になることはない

・病院の都合でパジャマを棚から出す部分をスタッフが行っている

理由:しているADLなので更衣の準備に該当するため

・全て自分で行っているが、はだけた状態となっており声掛けが必要

理由:社会的に受け入れられる衣服として該当しないため修正のための声かけが必要となっているため

・アームスリング・コルセットの装着をわずかに手伝っている

理由:まず介助ということで4点となりそうであるが装具は副次的なものという観点から5点までとなるためです

この点だけ更衣においてイレギュラーな採点方法となるため十分注意して覚えておく必要がある。

基本的に装具の脱着は完全自立以外は全て5点となります。

た完全に自立しても補助具を使っているため7点にはならないと考えられます。

 

★病棟では服の管理を病院側が行っていることがしばしばあるが、

これだけで減点項目となってしまうため5点となる。

更衣動作を7点で採点するためにはタンスから服を出すことも含めて

全て自分でやっていることを確認する必要があるため注意が必要がある。

また服を用意することは介助ではなく、準備とみなされることも確認が必要である

更衣上半身:4点の悩みやすいケース

ブラジャーの着脱、ジッパー・留め金などに少しの介助を要する、

理由:細かな部分でも介助者が必要な場合は点数が5点未満となってしまうため。

 

まとめ

更衣上半身で重要な点として、

*入浴前後の着脱は例外であるため、採点しません。

*装具・弾性包帯の着脱は介助を要しても5点までしか減点されない 

*服を衣装ケースから用意することは準備に該当するため4点以下にはならない

があります。

 

これらを整理してまたFIMの採点をしていってください。

おすすめの記事